守谷 徳広 | Profile Photo

フォトグラファーのためのクラウドストレージ選び - 大切な写真を賢くバックアップ

更新 2016年2月25日

2014年11月に容量無制限の写真ストレージサービス「Prime Photos(Amazon)」が発表されました。それから約1年、2015年11月に容量無制限を売りにしていたRevel(Adobe)が2016年2月23日付でサービスを終了することを発表、さらにOne Drive(Microsoft)も容量無制限プランの廃止を発表しました。クラウドストレージサービス勢力図が激変してます。
プロ・アマを問わず、写真撮影データの保存はすべてのフォトグラファーにとって重要な問題。近年では定番の外付けハードディスク(外付けHDD)だけでなく、クラウドストレージを併用するケースが増えてきました。プロフェッショナル・フォトグラファー/ハイアマチュアに適したクラウドストレージをピックアップしてみたいと思います。

※この記事の内容は2015年11月時点での調査にもとづいています。冒頭のようにクラウドストレージサービスは業界全体が激動しているため、サービス内容等が変更される可能性があります。

フォトグラファー向けの基準とは?

「写真専用クラウドストレージ」であってもプロ/ハイアマチュアには適さないことがあります。この記事では下記条件を満たすことをピックアップの基準としました。

1 ) RAW画像が保存可能
クラウドストレージ(特に写真専用ストレージ)の中にはRAW画像データの保存に対応していないものもあります。プロ/ハイアマチュアにとってRAW画像データが保存できることは必須でしょう。

2 ) 最低 1TB以上の容量
デジタル一眼カメラ・デジタル一眼レフカメラは高画素化に伴い一枚あたりのデータ容量も大きくなっています。
Canon社の代表的な一眼レフカメラのRAW画像1枚あたりの容量は以下となっています(※1)。50万画素の5DS/5DSRは1枚でなんと 60.5MB!
1Dx: 23.2MB / 5D3: 27.1MB / 7D2: 24.0MB / 5DS/5DSR: 60.5MB

簡単のため1枚30MBを基準とすると、以下の枚数を保存できることになります。
100GB: 3,413枚 / 500GB: 17,066枚 / 1TB: 34,952枚

---
※1 キヤノン製品マニュアル( http://cweb.canon.jp/manual/eosd/ ) 説明書中のデータにもとづいています。
---

2015年時点では多くのストレージサービスの最大容量は1TBです。プロフェッショナル・フォトグラファーにとって 1TB(約35,000枚)という容量は十分でないでしょう。しかし、最大1TBのサービスを除外すると選択肢が極度に限定されてしまいます。そのため、この記事の基準では最大容量が1TBのサービスは含め、それに満たないサービスについて選外としました。


3 ) 安定運用
クラウドストレージはサービスとしての歴史が浅く、サービス自体が終了することも珍しくありません。
創業まもないベンチャー企業だけでなく、Adobe Revel(旧Adobe Carousel)のように、世界的大企業も例外ではありません。2014年以降では Hive、Revel、マカフィーオンラインバックアップ、さくらの BASE Storage 等の有名サービスが終了しました。

サービスの安定度という観点から過去に容量無制限の撤廃やサービスのダウングレードを行ったサービスは選外ということで。(無制限をうたい文句に集客し、その後廃止するサービスが多すぎます…)

参考:
http://pronama.azurewebsites.net/2015/11/03/unlimited-online-storage/

以上の3つを「プロフェッショナル・フォトグラファー/ハイアマチュアに適する」基準として、ピックアップしていきます。

1. Amazon Prime Photos

URL: https://www.amazon.com/clouddrive/primephotos
プラン: 11.99ドル/年(最初の3ヶ月は無料)

ショッピングでお馴染みAmazon社の提供する写真専用ストレージサービス。写真専用ストレージとしては、2015年現在で世界最高峰のサービスでしょう。世界No.1 パブリッククラウド企業としての強みを生かし、年額わずか12ドル(11.99ドル)で容量無制限保存が可能です。

ただし、ネックとなるのは「世界標準のサービス」であって、「日本向けサービス」でないという点です(ドメインもアマゾンジャパンの amazon.co.jp でなく、amazon.com です)。2015年時点では、管理画面のメニューこそ日本語化されていますが、ヘルプは英語ページのみの提供になっています。料金もドル建ですね。日本語で読める情報も圧倒的に少ないので、その点をクリアできれば現時点で最高の保存・バックアップ環境といえます。

小ネタ
Amazon はショッピングサイトとして有名ですが、実は世界最大級のクラウドコンピューティングサービス「AWS(Amazon Web Service)」を提供している超ハイテク企業です。AWS は世界シェアNo.1 のパブリッククラウドで、世界中のウェブサイトやビッグデータ解析のインフラとして活用されています。後述のDropboxもAWSを利用してサービスを提供しています。

クロスリージョンで保管されるデータは国をまたいだ非常に高度なバックアップ体制のもとで保管されおり、映画やアニメのように日本が突如消滅したとしても、あなたのデータが失われることはないでしょう・・・。

2. Google Drive

URL: https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/
プラン: 15GB(無料)、100GB(1.99ドル/月)、1TB(9.99ドル/月)、10TB(99.99ドル/月)、20TB(199.99ドル/月)、30TB(299.99ドル/月)

Google 社の提供するストレージサービス。容量無制限プランはないものの、最大30TBまで増強可能。ドル建料金のため変動しますが、高くもなく安くもなく、一箇所にまとめて保存・バックアップしたい場合には無難な選択肢でしょう。

ただし、唯一の懸念点が利用規約です。(実際にGoogle社が無断使用することはないのでしょうが)規約上はGoogle社にライセンスを付与することになるので、プロの方は一読した方がよいでしょう。
https://support.google.com/drive/answer/2450387?hl=ja

なお、後述の「Googleフォト」は一眼カメラ・一眼レフカメラのRAWデータ対応が不十分でプロ・ハイアマチュアには適しません。

3. Dropbox

URL: https://www.dropbox.com/
プラン: 2GB(無料)、1TB(税別1,200円/月)

もはや説明不要でしょう。クラウドストレージを世の中に普及させた元祖ストレージサービス。PC、スマートフォン、タブレット等 さまざまなデバイスから簡単に利用できるので、「はじめてのクラウドストレージ」として最適です。

定番ツールのためユーザー数も多く、インターネット上に溢れんばかりの情報があります。わからないことがあってもGoogle検索で解決できます。クラウドストレージを使ったことがないなら、Dropboxから始めるのが良いでしょう。

ただし、最大容量が1TBと小さく、プロフェッショナル・フォトグラファーはすぐに容量不足になってしまうのがネックです。なお、5人〜購入可能なチーム向けプランDropbox Businessに限り1TB以上も可能となっています。

4. iCloud Drive(iCloud ストレージ)

URL: https://www.icloud.com/
プラン:5GB(無料)、50GB(130円/月)、200GB(400円/月)、1TB(1,300円/月)

Apple社のクラウドストレージサービス。以前は料金が高い(高すぎる)ことで有名でしたが、2015年9月に価格改定が実施され、一般的な料金になりました。Mac/iPad/iPhone等のApple製品をメインデバイスとしている方は Dropbox の代わりにiCloud Drive を選択するのも良いでしょう。Dropbox同様に最大容量が1TBしかないのがネックです。

選外サービス

今回のプロ・ハイアマフォトグラファー向けの選定基準に漏れてしまったものの、知名度が高いクラウドサービスです。

Googleフォト
https://photos.google.com/?hl=ja
無料・容量無制限の写真用オンラインストレージサービス。最高の環境と思いきや、無制限の対象は 1600万画素までの画像のみで、実質的にはスマホ写真向けサービスです(2015年時点)。デジタル一眼・デジタル一眼レフのRAW画像の保存には適さず、プロ・ハイアマチュア向けではありません。


One Drive (旧SkyDrive)
https://onedrive.live.com/about/ja-jp/

WIndows でお馴染みMicrosoft社のクラウドストレージサービス。ワード、エクセル、パワーポイントをはじめ文書保管に最適なサービスですが、写真や動画の保存にも活用できます。以前は容量無制限プランのある注目サービスだったのですが、2015年11月に「容量無制限プランの廃止」と「無料プラン最大容量を15GBから5GBに縮小」の発表がありました。世界的大企業のサービスですが、One Drive 単体としては試行錯誤段階のようです。
http://blogs.technet.com/b/microsoft_office_/archive/2015/11/05/onedrive-faq.aspx


Adobe Revel
https://www.adoberevel.com/
Photoshop や Lightroom でお馴染みAdobe社の容量無制限の写真とビデオ用オンラインストレージサービス。2016年2月23日にサービスを終了することがが発表されました。サービス終了に伴い、Adobe Creative Cloud フォトグラフィプランへのデータ移行を推奨してますが、同プランの基本容量はわずか2GBとなっています。


Flickr
https://www.flickr.com/
クラウドストレージではないもののJPEGに関しては保存場所としても使えます。ただし、(2015年時点では)RAW画像は対象外のため、プロ・ハイアマチュア向けではありません。


SugarSync
http://www.sugarsync.jp/
老舗ストレージサービスでサービス運用暦はトップレベルだが、容量が500GBまでなのと料金が高いため選外(500GBで月額4,000円)。
この記事の内容は2015年11月時点での調査にもとづいています。冒頭のようにクラウドストレージサービスは業界全体が激動しているため、サービス内容等が変更される可能性があります。各サービスの最新情報は本文中のURLより確認ください。

少しでも役に立ったらシェア・コメントしてくれたら嬉しいです!また、内容に誤りがある場合にはコメントでやさしく教えてください!

筆者情報

守谷 徳広 | Profile Photo

守谷 徳広

Feelment編集部メンバー。リクルートHD、ベネッセコーポレーション、GMOインターネットグループ等 大企業のWebプロモーション・アプリケーション開発を手がける。Lightroomよりも「黒い画面」を見る時間の方が多いアマチュア・フォトグラファー。

コメント

TOP