岡克己 | Profile Photo

「灯台をうまく撮ろう」写真講座 Lesson2

更新 2016年2月25日

「ホワイトバランス」根掘り葉掘り

航路標識番号: 2902 潮岬灯台(和歌山県)


去年(2015年)の暮れに撮影した潮岬灯台(和歌山県)を作例にして、デジタルカメラの便利機能の1つであるホワイトバランスについて書きます。ユルーイ写真講座なので気軽に読んでいただけると思います。

●ホワイトバランス
ご存知のように、デジタルカメラにはホワイトバランス(WB)という便利な機能が搭載されています。
ホワイトバランス(WB)とは?いろんな光源の下で撮影しても、白いものを白に近い色に補正してくれる機能のことです。

人間の眼って良く出来ていて、被写体にあたっている光が、太陽光でも電球や蛍光灯の光でも、白色のモノは「コレは白だろ」って認識します、でも実際には、赤っぽかったり、青っぽかったり、緑っぽかったりするわけです。これは光源に色温度があるためなんです。
「何だ、色温度って?」
色温度というのは、光源の温度ではなく、光の色を数値で表すもので、ケルビン(K)という単位を使用します。昔からよく例えられるのが、薪ストーブで炭が燃えてる様子、最初は赤色だった炭の色が高温になるほど青くなるように...暖色系は色温度が低く、寒色系は色温度が高いんです。人間は、色によって温度を感じる感覚を持っているので「色温度」と呼んでいるようです。そして、この色温度ですが、数字(ケルビン値)ではわかりにくいので「電球色」とか「昼白色」とかという言葉でも表されることもあります。
 電球色 2800K-3000K
 昼白色 5500K
 昼光色 6500-6700K

白熱電球3000K > 白色蛍光灯4000K > 太陽光5300K > 曇り6000K > 晴天日陰7500K
(オリンパスのトリセツ、WBモードの設定される色温度ページを参照。で、この設定色温度なんだけど、各カメラメーカーでイロイロみたい、重箱の隅をつつくようで、少しだけ心苦しいのですが、「えっ?ホントかなあー」キャノンでは、太陽光5200K、日陰7000K、ニコンでは太陽光はキャノンと同じ5200Kだけど晴天日陰は8000Kとトリセツ(取扱説明書の略)に表記されています)

一般的に、ろうそくの光りは1800ケルビン(K)、真っ赤に染まった夕暮れ時は2500ケルビン(K)、昼間の太陽光は5500ケルビン(K)、曇天は6000ケルビン(K)だと言われています。あっ、でもコレは平均的な数値で、ピッタシ1800、2500、5500ケルビンって言うわけではありません。
「わかってるよ、それくらい、ったく」
で、ですよねー(^_^;)))
色温度が高いと青っぽく見えて、低いと赤っぽく見えるというわけです。これぐらいのアバウトな認識でいいんじゃないのかなあーって筆者はいつも思っています。デジタルって、不安だったら撮影後にモニターで画像再生、厳密ではないけれど、ある程度は色の確認はできるわけですから。

●オートホワイトバランス
デジタルカメラには、イロイロな光源に対して自動的にホワイトバランスを調整してくれる「オートホワイトバランス(AWB)」という超便利な機能も付いています。
このオートホワイトバランス(AWB)、またまた重箱の隅をつつくようで、少しだけ心苦しいのですが、「えっ?ホントかなあー」オリンパスのトリセツでは空欄なんですけど、キャノンではAWB(3000K-7000K)、ニコンではAWB(3500K-8000K)、AWBの色温度範囲が表記されています。コレって、この色温度範囲外の撮影条件では、オート(AUTO)でもホワイトバランスが不安定になります、って注意書き?です。

もちろん専門的な機能も搭載されていて、太陽光、電球、蛍光灯などの光源にあわせて、手動でホワイトバランスを設定することもできます。
通常はオートホワイトバランス(AWB)のオート(AUTO)設定のままで大丈夫ですが、晴天、電球、蛍光灯など、オート以外の設定にすることで、意図的に赤味を増したり、青味を増したりするなど、自分の撮影意図にあった色味の写真にすることができます。
実際の撮影例で説明します。
この下にある3枚の写真は紀伊半島の最南端=本州の最南端、潮岬に立つ潮岬灯台(和歌山県)なのですが、この撮影では、ホワイトバランス(WB)設定を、AUTO(オートホワイトバランス)ではなくて、晴れマーク(5300K)にしています。
あっ、宣伝めいて恐縮ですが...早朝点灯、朝焼け、夕日点灯、この3カットは、灯台の上まで登れる参観灯台・潮岬灯台の受付にて、ポストカード販売されています。観光などで現地に行かれた折には是非...風景印サービスがあるかも...あっ、1枚、単価150円、よろしくお願いします。
ハナシを戻します、この最後3枚目の夕日点灯カットを晴れマーク(5300K)じゃなくてAUTO( オートホワイトバランス)設定で撮影すると、この上にあるカットのように、夕日が少し地味なのではという色味の写真になります。

「どんな撮影状況でもホワイトバランスはAUTO(オートホワイトバランス)でいいのか?」
確かに、何も考えずにAUTO(オートホワイトバランス)でいいんじゃない、が簡単かもしれませんが、ここはひとつ、ステップアップしてみてはいかがでしょう。灯台撮影に限らず、オープンで風景を撮影する場合は、晴れマーク(5300K)設定が筆者のオススメです。いろんな光源が交じってるインドアの環境ではAUTO(オートホワイトバランス)が便利ちゃ便利なんだけど、各カメラメーカーでAUTO(オートホワイトバランス)撮影時の色合いが違ってたりもするし、あっ、この話題は、また別の機会に話させてください。


●銀塩カメラ時代
今は昔、銀塩フィルムカメラで厳密に撮影する場合は、カラーメーターで色温度を測定し、その色温度に適した色補正用フィルターをレンズの前に装着したり、色温度の違うタングステンタイプフィルムなどをもちいて撮影していました。アーカイブ目的の場合にはカラーチャートを一緒に写し込んでいました。20世紀が終わり、急速に時は流れ現在のデジタルカメラ時代、カメラに内蔵されている機能で補正が可能なため、色補正に機材や準備の手間がかからなくなりました。コレって凄いアドバンテージです。
●RAWで撮るなら
RAWで撮影して、後日、パソコンでRAW現像を行うのでしたらホワイトバランスはオート(AUTO)設定ままでいいかもしれません。RAWデータはホワイトバランスを画質の劣化なしに自由に変更が出来るわけですから、色にこだわるあまり、構図や露出が疎かになってしまうのであれば、ホワイトバランスはオート(AUTO)のままRAW画質で撮影という選択肢もアリなのではないでしょうか。

筆者情報

岡克己 | Profile Photo

岡克己

写真家・灯台研究家 倉敷生まれ・中村昭夫氏に師事 月刊誌「おかあさんなぜ?」写真部などを経て 、1980年からフリーランス ライフワークで「日本の灯台」を撮り続けている 公益社団法人 日本写真家協会会員( JPS )

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